指針
垢バレしてはいけない人にバレると相当めんどくさい事になるけど、そのリスクを加味しても人からの意見が欲しい状況になったため、こうして記事にする事にした。
長くなるが最後までお付き合い願いたい。
今より少し昔、大手銀行の経営を手掛ける財閥の一人が愛人との間に子供を作った。
妾腹の存在が財閥に知られては大事になると、世間からは父親の存在が隠されたまま、その娘は育てられた。
しかし母の方は、我が娘を彼の子だと認めて欲しかったらしく、その子を財閥の名に恥じぬよう厳しく育てた。
父の金銭的援助もあり、その娘は超有名大学に入学し、その中でもトップクラスの成績を保っていた。
「結果を出せば認めて貰える」そう母娘は信じていた、が最後まで公に認められる事は無かった。
娘は限界だったらしい
狂った環境、厳しく体罰も厭わない母、無意味になった努力。娘は家を飛び出し、ある男の家に匿われた。
そして子供を作ってしまった。彼女はまだ大学生だったが。
いつの間にか息子を持ち母になった…が、まだ若過ぎた。子供を可愛いとも思えなかった。
財閥の父は息子が5才の時に亡くなった。自らの孫と一度も顔を合わせる事は無かった。
愛人側の母は精神病を患い、そして息子が7才の時に脳梗塞で亡くなった。
両親が亡くなった頃から、母は連鎖するように精神病を患った。父親はそれに耐えきれなくなったのか、子供のために積み立てた貯蓄を持ち去り消えた。
残された息子、つまり私は10才の時に母を残しあらゆる親族が消えていた。
そしてそれと同時に、自分がどうしようもなく欠陥を抱えた人間だと気がついた。
勉強も出来ず、スポーツも出来ず、あらゆる事に興味が無かった。
母親は残されたたった一人の息子の無能さに嫌気がさし、様々な体罰を与えた。
学校に痣だらけで登校し、椅子に座るだけで痣が板に触れて痛かった。
私はすぐにいじめの対象になった。こんな人生が後何年続くのかと絶望した。
小学校、中学生、高校、環境が変わっても私は変わらなかった。無能で、空気の読めない人間のままだった。
この頃から母は時々何の連絡もよこさず失踪するようになった。家に誰もいない状況が一ヶ月以上続く事もしばしばあった。
私が高校生の頃、母は男を作った。
私は突然知らない男の家で暮らすようになった。
もう何もする気にもならなかった。
ただ、苦痛を避け、面倒臭い事を避け、全てを放棄して生きた。
母と男は同棲して1年する頃には絶え間無く喧嘩をするようになった。
家には投げた物の破片が散乱し、母は遺書を書いて服毒自殺をしようと薬を飲み、廃人のように蹲っていた。
私はそんな母を無視して学校に行った。
何もかもどうでもよかった。
母は何度も自殺しようとしたが、出来なかったようだ。週一ペースで家のどこかしらで母の書いた遺書を見るようになった。
自分もやったから分かるが、最近服毒自殺しようとしても簡単には死ねないらしい。
素人が手に入る薬で命を絶つのは難しいようだった。
私は高校を卒業したら働きに出ると決めていた。大学に行っても自分は変わらないだろう。
金さえ稼げれば一人で生活する事も出来る、きっと自分も変われる。都合のいい妄想は、妄想でしか無いとすぐに気が付く事になるが。
今まであらゆる面倒ごとを投げてきた自分にとって、興味の無い事を延々とやる事はどうしようもなく苦痛だった。
「転職して、自分の興味のある事を仕事にすればやる気が出るかもしれない」
そう考えた私は、会社の経営が傾き、給料が払えるか怪しい状況になった事を機にその会社を辞めた。就職してから一年も経っていない頃だった。
植物が好きだった自分は、それから好きな事を仕事にしようと植物関連の仕事を探した。
しかし、高卒で前職を一年で辞めた自分に、世間は厳しかった。試験に受かっても面接すらして貰えず門前払いされる事もあった。
だが、仕事を探すうち、ようやく自分は植木屋に就職する事が出来た。
そこで初めて職人社会に踏み込む事になるが、そこでも自分の甘さを痛感する事になる。
それからの自分は毎日のように怒鳴られ、蹴られ、殴られた。覚えが悪く、気の利かない自分は変わっていなかった。
学校でも家でもいじめられた幼い頃から何も変わっていない自分…
一体何のために生きているのか分からなかった。
私は自問自答を止めた。他人の人生に答えを求めた。他の人は何を糧に生きているのか…? 自分と何が違うのか。
結婚して家庭を築くのが幸せ?休日に全てを忘れて遊ぶ事が幸せ?
自分にはとても生きる糧になるとは思えない。
自分の中で、どうせ変われないという諦めと、どうしようも無い無力感、虚無感が常にある。
辞めたいが、今辞めたとしてまともな再就職先があるのか、いやそもそも自分は何をして生きて行くのか?
分からないまま時間だけが過ぎている。
どんな些細な事でも、今は他人からのアドバイスが欲しい。
そう思い今回記事を書くに至った。
鬱々とした文を長々と続けて気分が悪くなった人は申し訳ない。